クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

78話 リルの両親

 ーーーエルフの国まで残り30分程度で着きます。
 ガルード王国を出てから2日経ってようやく目的地の近くに来たみたいだ。
 そのエルフの国にリルの両親がいるといいんだけどな。
「そろそろ着くね、リルちゃん。」
「はいです!楽しみです!」
 リルは、とても楽しそうにして窓をずっと見ている。
(マスター、1キロほど先にリルさんの両親と思われる二方がこちらへ向かってきます。)
 は!?こちらへ向かってくる?
 偶然か?ってか、いきなりだな!
 ちょっと先に会ってみるか。
「みんな、悪いけどちょっと止めるぞ。」
 俺は、そう言って自動車を止めた。
「どうしたの、竜斗?」
「ちょっと気になることがあってな。みんなは、待っててくれ。」
 俺は、そう言って自動車を出てリルの両親の所へ向かった。
(マスター、リルさんの両親がこちらへすごい勢いで向かって来ました。)
 え?
「「リルゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」」
 な、なんだ!?少し先からすごい勢いでこっちへ向かってきている2人組がいる。
 そして、リルの両親が俺の方へ近づいてきた。
「クンクン、あなた、この人からリルちゃんの匂いがします!」
「ああ、俺も気づいたところだ!貴様!リルをどこへやった!?」
「は!?」
 二人ともいきなり俺の匂いを嗅ぎだしたと思ったらいきなり敵意を出してきたな。
「早く言え!俺たちのリルをどこへやった!?」
「そうよ!早く言いなさい!リルちゃんはどこ!?」
「言います!言いますから揺らさないで!!」
 リルの両親から胸倉を掴まれ思いっ切り揺らされる。
 あ、やべ、吐きそう。
「ほら、早く言いなさい!」
「あ、案内します。」
 俺は、自動車の方へリルの両親を連れて戻った。
「ちょっと待っていてください。」
 俺は、2人を待たせて車内へ入った。
「た、ただいま〜。」
「ど、どうしたんですか、竜斗?気分が悪そうですけど?」
「まぁちょっとあってな。それよりも、リル。」
「なんです?」
「リルの両親がすぐそこに来てるぞ。」
「え!?お父さんとお母さんが来てるです?」
「ああ、すぐそこまで来てたからな。案内したんだよ。」
 あ、あれ?なんか、あまり嬉しそうじゃないな。
「どうしたんだ、リル?」
「な、なんでもないです!わーい!早く会いたいです!」
 明らかに無理してるな。何かあったんだろうか?
「リル、何かあったのか?」
「なんでもないですよ。」
 俺は、リルの前に片膝をついて目線を一緒にする。
「リル、あまり無理しなくていいぞ。親と辛い思い出があって会いたくないなら俺がお前の親に話し合ってやる。」
「………」
「リル、今は俺を頼ってくれ。俺は、リルにずっと笑顔でいて欲しいんだ。だから無理して両親に会わなくていいよ。」
「本当に大丈夫です!お父さんとお母さんに会うです!」
「無理すんなよ。」
「はいです!」
 リルは、そう言って自動車から降りた。
「リル!!」
「リルちゃん!!」
 リルの姿を見たリルの両親は、すぐさまリルに飛びついた。
「うっ、お父さん、お母さん、キツイです。」
「うぅ〜、心配したのよ!すごい心配したんだからね!」
「そうだぞ!リル!もう離さないからな!」
「ごめんなさいです。」
「いいのよ、ほら帰りましょう。他のみんなも心配してるのよ。顔を見せてあげましょ。」
「あ、待って!柊お兄ちゃんたちも連れてって!」
「柊お兄ちゃんって、あの男の人のこと?」
「はいです!私の命の恩人さんです!」
「そ、そうだったの!?」
「そうだったのか!?」
 リルがそう言うとリルの両親が俺の方を向いて深く頭を下げた。
「申し訳ありませんでした!娘の命の恩人と知らずに先程あのような無礼なことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした!」
「いえいえ、娘さんを心配してのことですからね。別に気にしなくてもいいですよ。」
「そう言って貰えると助かる。君の名はなんて言うんだい?」
「リュウです。」
「リュウ君か。君と娘二人でここまで来たのかい?」
「いえ、ちょっと後ろでほかの仲間たちも待機しています。」
「そうか。なら、その人たちも呼んで来たまえ。エルフの国に私たちが案内しよう!」
「ありがとうございます。すぐに呼んできますね。」
 そう言って俺は、車内にいるみんなを呼びリルの両親たちと挨拶を済ませエルフの国へ向かった。

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コメント

  • カツ丼

    ほぉん……

    1
  • ノベルバユーザー248828

    エルフ鼻良いんやー(°Д°)

    3
  • ノベルバユーザー264858

    今日2話も投稿してくれてありがとですそしてお疲れ様です

    2
  • ぬぅ

    予想外の展開

    5
  • なおと

    ありがとうございます、2話も読めるなんて、うれしいです

    3
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