クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

80話 伝説

 俺は、その部屋をノックして返事を待つ。
 ………
 あれ?いくら待っても返事がないな。
「失礼します。」
 俺は、返事が返ってこなかったので勝手に部屋に入ることにした。
 そして、その部屋に入ると中には誰もいなかった。
「明かり、付けっぱなしだったのかな?」
 俺は、その部屋を見渡すとやはり中には誰もいなかった。
「それにしてもすごい本が多いな。」
 この部屋は、本棚が部屋中を囲むようにしてありそして本は、その本棚に入り切っていないほどあった。
 俺は、一冊の本に手をかけようとした瞬間、扉が開く音がした。
「おや、君はリュウ君じゃないか?どうしたんだい?」
 部屋に現れたのは、白衣を着たエミーゼさんだった。
「あ、すいません。明かりがついていたので入ってしまいました。」
「そうだったんだ。別に気にしなくてもいいよ。私は、少し喉が渇いたからこれを取りに行っていたんだよ。」
 と言って見せてきたのは、コーヒーが入っているコーヒーカップだった。
「君もいるかね?」
「あ、いえ、大丈夫です。それにしてもこの部屋、すごい本がいっぱいですね。」
「ああ、この部屋はエルフ族に関わる資料や過去のことが綴られている本があるからね。」
「そうだったんですね。あ、一つ聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「ん?なんだね?」
「リルについてなんですが、リルとリルの両親って何かあったんですか?」
「ああ、そのことか。………まぁ、君になら話しても構わないだろう。」
「ありがとうございます。」
「リルちゃんの両親は、すごい過保護でね、それでリルちゃんはそんな親のことが嫌いになってしまってね。そして家を飛び出してしまったんだ。」
「あ〜、なんとなく過保護な親だと俺も薄々気づいていたんですよね。でも、家出するくらい過保護だったなんて。」
「リルちゃんが家を飛び出したあとその二人は、何も飲まず食わずで国中、いや、その外まで行こうとした時があってね。でも、途中で気を失ったのか、道端で倒れていたんだよね。」
「まぁ、親ですからね。」
 でも、たぶん俺の親はそんなことしないと思うがね。
「私たちもリルちゃんを探して回ったんだけど見つからなくてね。そして今日、ようやく戻って来たってわけだよ。」
「すいません、もう少し早く帰らせてあげたかったんですけどちょっと色々ありまして。」
「いや、無事に帰ってきてくれたんだから気にすることないよ。リュウ君、先程も礼を言ったがもう一度言わせてくれ。リルちゃんを助けてくれて本当にありがとう。」
 エミーゼさんは、そう言って深く頭を下げた。
「本当にいいんですよ、俺だってリルの言葉で元気づけられたことがいっぱいあるんですから。」
「そうか。そう言って貰えるとこちらも助かるし嬉しいよ。」
「リルが親と会いたくなさそうだったのはこのことが原因なんですね。」
「ああ、たぶんそうだろうね。」
 ふむ、それは家族ぐるみの問題だからあまり俺が関わるのも良くないな。
 でも、もしリルが嫌な目にあった時は俺がしっかりとあの親に言っておこう。
「ところでリュウ君。」
「はい?なんですか?」
「君は、エルフの国に伝わる伝説を知ってるかね?」
「伝説……ですか?」
「ああ、そうだ。私もその伝説について研究をしているのだがね、その伝説って言うのはある一人の少年をテーマにしてあるんだ。」
「ある一人の少年?」
「ああ、その少年の姿は、黒髪黒目の童顔な顔つきだったと資料には書かれてあるんだ。」
 黒髪黒目って、多分日本から来た人じゃないか?
 ってことはその人も召喚されたんだろうか?
「で、その少年がどうしたんですか?」
「その少年は、ある日突然エルフの国にやって来ては、この国の発展を促してくれたんだ。」
「へぇ、優しい人だったんですね。」
「ああ、そうだったんだろうね。だがある日、突然魔物の大群がこの国に近づいてきた。エルフは、あまり戦う力が備わってなくただ震えているだけでいたんだ。」
 へぇ、そうなんだな。エルフって魔法や弓が上手いイメージがあったんだけど。
「そしてそんなエルフたちを救ってくれたのがその少年だった。その少年は、不思議な技を使い次々と魔物たちを倒していったんだ。」
「不思議な力……ですか?」
「ああ、とっても不思議な力だったらしい。資料にはその少年が指を鳴らしたと同時に魔物たちは、次々と倒れていったと書かれているんだ。」
 指を鳴らしたと同時に……か。
 ちょっとカッコイイな。
「だが、突如その場が光りだし、その少年と魔物の群れをその光が包んだ。そしてその光が消えると辺りは少年も魔物もいなくなったらしい。そして残っていたのがその少年が持っていた一つの剣だったのだ。」
「へぇ、そんな伝説があったんですか。」
「皆はこれを伝説と言うが私は、伝説とは思えないんだ。」
「どうしてですか?」
「その資料を書いたのが私の曾祖母だからだ。」
「そうなんですか!?ということはそんなに古いことじゃないんですか?」
「いや、すでにもう1000年以上も前のことだよ。」
「せ、1000年!?」
「私たちエルフは、寿命が長くてね、私ももう100は超えてるよ。」
「そ、そうなんですね。それでそれを俺に伝えてどうするんですか?」
「君にちょっとして欲しいことがあってね。」
「して欲しいこと?」
「その剣の場所に行って剣に触れて欲しいんだ。」
「ええ!?その剣って存在するの!?伝説なのに!?」
「まぁ、あるにはあるのだが、もしかしたら誰かが伝説を信じさせるために刺したものかもしれない、というのがエルフでの噂になっており誰もその剣に興味を示そうとしないんだ。」
「そうなんですね。」
「だが!私は、その剣が本当に伝説に現れた少年のものだと信じている!そして、黒髪黒目の君がその剣に触れればなにか分かるかもしれない!頼む!私の研究に付き合ってくれ!」
「別にいいですよ。俺もすごい気になりますし!」
「本当か!?ありがとう!では早速明日、その場所に行ってみよう!」

コメント

  • ノベルバユーザー375143

    剣いらなくね?

    0
  • リムル様と尚文様は神!!サイタマも!!

    エクス○リバー?

    2
  • ラノベ好きの中学生

    いろんな神話の話とかが入ってて
    まじでおもしろい‼️

    2
  • Chronus

    キタコレ、、誰も抜けなかったやつをアッサリ抜いちゃう系男子。

    4
  • カツ丼

    これは……さすがに……聖剣(定期)

    1
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