クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

111話 確信

 俺は、その日の夜、ずっと悩み続けた。
 ……もし、本当に俺に想っている人があいつだとするのなら……俺は、どうしたいんだろうな。
「あー!分からん!」
 俺は、寝る間も惜しんでずっと考え続けた。
 そして何も答えが出ないまま日が昇った。
「あ、竜斗、おはようございます。」
 っ!
「お、おはよう、シェレール。」
「竜斗、どうしたんですか?目の下にクマができてますよ?」
「あ、ああ、ちょっと考えごとをしてて眠れなくてな。」
「大丈夫なんですか?」
「あ、ああ、大丈夫、大丈夫。」
「今日は、ゆっくりと休んでくださいね。昨日もルビーさんのお父さんのお仕事を手伝っていたんですから。」
「は、ははっ、そうさせてもらおうかな。」
「はい。あ、私が看病しましょうか?」
「い、いや、いいよ!少し寝ればなると思うし。」
「そうですか。分かりました、では、私は朝食の準備をしてきますね。」
「ああ。」
 シェレールは、キッチンの方へと足を運んだ。
 はぁ〜、なんだろうな、この気持ち。
 昨日の時点で少し察してはいた。
 もし、本当に俺が想っている人がいるのならそれは………シェレールのことなんだろうって。
 そして今、シェレールの声を聞くだけで心が熱くなってきやがる。
 こんな感情、本当に初めてだ。
 だが、想っている人が分かったからなんだ?ロイアさんの言っていた通り自分なりの答えを出すのか?ってか自分なりの答えってなんだ?告白でもするのか?まず俺にそんな勇気あるのか?
 なぁ、ナビ、どうしたらいいと思う?
(それはマスター個人で考えなくてはいけないことです。私がマスターのその思いに口出ししてしまったらそれはマスター自身の思いでは無くなってしまいます。)
 そうだよな。自分で解決しなくちゃな。
(ですが、一言だけアドバイスするなら……マスターの悔いなきようにやってみてください。私から言えるのはそれまでです。)
 俺の悔いなきように……
 確かに悔いが残るのは嫌だ。
 でも、どうしたら俺は悔いが残らないようになるんだ?
 ………今は考えてもしょうがないな。
 朝食、食べに行こう。
 俺は、そう思いリビングへ向かった。
「………と………うと………竜斗!」
 っ!
「うわっ!なんだ?シェレールか?どうした?」
「どうした?ではありませんよ。全然朝食食べていないじゃないですか。そんなに具合が悪いのならもう休んでください。」
「い、いや、大丈夫だ。」
「大丈夫ではありませんよ!竜斗、ちゃんと休まないといけない日は必ず来るのです。竜斗にはそれが今日なのです。」
「………分かったよ。でも眠気は今はないんだ。」
「それでしたら……私と二人でお出かけしませんか?ほかの皆さんは、もう出かけていますので。」
「あ、ああ、いいな。」
 シェレールと二人っきり。
 そう考えるだけで心臓の鼓動が早くなる。
「では、早く朝食を済ませて出かけましょう!」
「ああ、分かったよ。」
 俺は、その後残っていた朝食を全て腹に入れた。
 そしてその後、お互い出かける準備をして一緒に出かけた。
「ふふっ、久しぶりですね、こうやって竜斗と二人でお出かけするのは。」
「そういえばこのごろ二人っきりって場面がなかったからな。」
「そ、そうですね。」
 ………シェレールは、俺の事、どう思ってくれているのだろう。
 結構信頼関係は築けているとは思う。
 だが、恋愛感情というとそれはまた別の話だ。
 もともとシェレールは、お姫様だったんだ。
 そこら中にイケメンはいただろう。
 だから、俺なんて男としてすら見られていなのかもしれない。
 はぁ、ダメだ。考えれば考えるほど悪い方向にいってしまう。
「竜斗!もうっ!せっかくのお出かけなんですから考え事はやめてください!」
「あ、ああ、悪い。」
「そんなに大切なことなんですか?」
「………ま、まぁな。」
「私が相談に乗りますよ?」
「い、いや!大丈夫!」
 さすがに本人に相談なんて……無理だろ。
「むぅ、そうですか。」
「おっ!あの屋台からいい匂いがするな!ちょっと買ってくるわ!」
 俺は、なにか聞かれる前に逃げるようにして屋台まで小走りをした。
「あ!竜斗ったら!」
 そして数分後。
「おぉ〜い!シェレール、買えたぞ!」
 あれ?シェレールの姿が見えない。
 どこだろう?
 ん?なんかあっちで人集りが出来てる?
「あの、すいません、通してください。」
 俺は、人集りを分けて何が起こっているのか確かめに行った。
「なぁなぁ、お嬢ちゃん、いいだろ?俺たちと少し飲もうぜ!」
「金なら大丈夫だからよ!ほら、行こうぜ!」
「す、すいません。私、今は少し……」
 そこに居たのはシェレールと、少し図体がでかいオッサン5人組くらいだった。
 完全にシェレールは、ナンパされてる。
 しかもシェレールは、萎縮してしまって相手は無理やり連れていこうとしている。
 そう見えた瞬間、俺は、気づけばそのオッサンたちに向かってこう言っていた。
「邪魔だよ、シェレールは俺の連れだ。手ぇ出してんじゃねぇ。」
 オッサンは、俺のその言葉を聞くと怒ったのか俺に殴りかかってきた。
 まぁ、その後俺は、一瞬でオッサンたちを片付けてしまったのは言うまでもないかな。
「大丈夫か?シェレール?」
「は、はい。ありがとうございました。」
 俺は、シェレールに手を伸ばした。
 シェレールは、俺に手を掴むとギュッと握って離さないようにしていた。
 そして気づけば周りは、拍手の嵐だった。
 俺たちは、少し困惑していると周りから「よくやった、兄ちゃん!」「さすが男の子!」とか、色々と聞こえてきた。
 そしてその中の一言
「彼女をちゃんと見てやれよ!」
 その一言が俺の心に突き刺さった。
 周りから見たら俺たちって恋人同士に見えるのかな?
 俺は、少し気になりシェレールの方をちらっと見るとシェレールは、この状況に少しあわあわしていた。
 そんな所も俺は、可愛いと思っている。
 そしてその後、無事騒動は収まり俺たちは少し街を回り帰宅している。
「シェレール、悪かったな今日は。」
「え?何がです?」
「俺がシェレールを1人にしたせいでシェレールに怖い思いをさせてしまった。本当に悪いと思っている。」
「………」
 シェレールからの返事はない。
 シェレールのことだから笑って許してくれると思ったのだが俺の間違いだったか?
「シェレール?」
「竜斗、私はあの男の人たちに絡まれてすごい怖ったです。」
「あ、ああ、だから悪かったって。」
「本当に怖かったんです。それもこれも私を1人にした竜斗のせいです。」
「………悪かった。」
「だから……だから、これからは私を1人にしないでください!ずっと、ずっと、一緒にいてください!」
 っ!
 その言葉を聞き俺の鼓動は大きく脈打った。
「俺がずっと一緒にいたって別にそんなに安心させられることが出来るとは思わない。」
「そんなことは……」
「だけど……俺もシェレールと一緒にいたい!」
「っ!……そ……それって……」
「わ、悪い!」
 俺は、今何を言ったんだ!?
 一緒にいたい!?そう言ったのか!?
「りゅ、竜斗?」
「ほ、ほら、帰ろうぜ!」
「え!あっ、ちょっと待ってください!」
 俺は、シェレールの手を引きルビーの家まで走った。
 ………ああ、もうこれ完全に分かったな。
 俺は、シェレールのことが好きなんだな。
 いつか、好きってシェレールに言える日が来るといいな……

コメント

  • ミーウィ

    ハァァァーーーーーー
    やっときたーーーー

    0
  • ノベルバユーザー308600

    ナビは言った。悔いのないようにと。
    つまり心の優しい主人公はみんなの気持ちに気がついて、断ったら悲しませると思いみんなを受け入れる。これだ!

    1
  • リムル様と尚文様は神!!サイタマも!!

    どうなる?いつする?

    1
  • /昊/芭/☪︎

    白井ルートはないのか…

    6
  • ペンギン

    今更ですが...これってハーレムものではなかったのですね...w

    3
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