クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
113話 チャンス
俺は、目を擦りながら部屋を出た。
結局昨日は、ナビにずっとダメ出しをくらいまともな告白が出来なかった。
「あ、竜斗、おはようございます。」
部屋を出て洗面所へ向かうとシェレールも洗面所にいた。
俺は、シェレールの顔を見ると同時に顔が熱くなるのが分かった。だが、それを表情に出さないようにした。
やっぱり勘づかれるとかっこ悪いからな。
「やぁ、シェレール、おはよう。」
「竜斗、今日もまた寝不足ですか?このごろ多いですね。」
「あ、ああ、色々あってな。」
「本当に無理はしないでくださいね。竜斗が倒れてしまったらすごい心配するので……」
「お、おう、そうか。分かったよ、ちゃんと気をつける。」
「はい、そうしてください。」
やばいやばい、シェレールの顔を見るだけで鼓動が早くなる。
「あ、邪魔でしたね、どうぞ。」
シェレールは、俺が顔を洗いに来たことを察しその場を退いた。
「ああ、ありがとう。………戻らないの?」
「はい、待ってます。」
シェレールは、ニコッと笑い俺が顔を洗い終わるのを待っていた。
はぁ〜、なんで俺今までシェレールのことが好きだなんて考えなかったんだ?こんなに俺の事を思ってくれる人が今までにいただろうか?
前から好きだって気づいていればその分色々と考えれたのに……
まぁ、今考えても遅いな。
俺は、ぱぱっと顔を洗った。
「顔も洗い終わったしリビングの方へ行こうぜ。」
「あ、ちょっと待ってください。」
シェレールは、そう言うと俺の方に近づき俺の顔に手を近づけた。
「え!?ちょっ、シェレール!?」
「寝癖が直ってませんよ。」
シェレールは、俺の髪の跳ねているところを触りながらそう言った。
「あ、ああ、そういえば寝癖は気にしていなかったな。」
「もう、竜斗ったら。私が直してあげますね。」
「え!?いいよ!別に。」
「ふふっ、大丈夫ですから。」
シェレールは、そう言って手に水をつけ俺の髪を抑える。
「竜斗は、もうちょっと身だしなみに気をつけてくださいね。」
「あ、ああ、次からは気をつけるよ。」
シェレールは、クスクスと笑いながら俺の寝癖を直す。
「はい、直りました。」
「ありがとう、悪かったな。」
俺は、直してもらった髪を少し触りつつお礼を言った。
「あ、竜斗、今日一緒にお出かけしませんか?」
「ん?別にいいけど何かあったのか?」
「ま、まぁ、色々ありまして……」
「そうなのか、分かった。じゃあ朝食食べ終えてからお互い準備が出来たら出かけようか。」
「はい!」
シェレールのニコッと笑う笑顔にまた俺の心臓が大きく跳ねた。
それから俺は、朝食を食べ終わり色々と準備をした。
一応服に気を使ってみたのだがこれで大丈夫なのだろうか。
あ〜、なんか女の子が服選びに時間がかかる理由がなんとなくわかったような気がする。
俺は、準備を終えてリビングの方へ向かった。
「あ、シェレール、もう来てたのか?」
「はい、私から誘ったのにお待たせさせるのは悪いと思ったので。」
「別に俺はそんなこと気にしないよ。まぁ、いいか。それじゃ行こうか。」
「はい!」
俺たちは、家から出て街を散歩した。
「それでなんの用事があるんだ?」
「あ、あの、その………アクセサリーを買いたくて……」
「アクセサリーか。それならあっちの方にお店があった気がするよ。」
「そうですか。」
「どんなものを買うんだ?」
「あ、あの、知人の男の人にあげるアクセサリーでして、その、竜斗の意見も聞けたらな、と思いまして……」
「あ、ああ、そうか。」
男の人……かぁ。誰なんだろうな。
この街で知り合ったのかな?気になる。すごい気になる。
その男の人にアクセサリーのプレゼントを渡すんだ。ただの知り合いといった関係じゃないことは間違いないよな。
も、もしかして、す、好き、だったりするのか?
「竜斗、どうしたんですか?着きましたよ?」
「あ、ああ、悪い。それでどんな物をあげるんだ?」
「男の人ってアクセサリーってどんなものを付けるんですか?」
「さ、さぁ?俺、アクセサリーとか付けたことないからよく分からないんだよな。」
「そうですか。」
ああ、クソっ!全然頼りにならないじゃないか!
どんなものがいいんだろう。こんなことならもうちょっとオシャレに気を配ればよかった。
「これなんてどうです?」
シェレールは、十字架のペンダントを手に取りそう言ってきた。
「ん、んん〜、い、イインジャナイカ?」
「………これはダメですね。」
「え!?どうして!?」
「竜斗、すごい微妙そうな顔をしていましたので。」
「いやいや、俺の意見なんて本当にどうでもいいから!たぶんその男の人は、そのペンダント貰ったら喜ぶと思うよ!」
「いいえ、これじゃダメです。」
シェレールってこういう時、何故かすごく強情なんだよな。
何かいいもの、何かいいもの………
「あ、これなんていいんじゃないか?」
俺は、男性用のブレスレットが目につきシェレールにそのブレスレットを指さしながらそう言った。
「竜斗は、これがいいと思うんですか?」
「ああ、俺的にはかっこいいと思うけど?ま、まぁ、結局はシェレールが、選ぶんだけどな。」
「なら、これ買います。」
「え!?早くない?もう少し悩んだら?」
「いいえ、大丈夫です。」
シェレールは、そう言って会計を済ませた。
「ほ、本当に買っちゃった。」
「いいんです。だって……はい、竜斗。これ、プレゼントです。」
「え?」
え?
な、なに?今なんて言った?
俺にプレゼント?
「ど、どういうこと?それ、シェレールの知人の男の人にあげるプレゼントなんじゃ……」
「そ、それは竜斗には悪いと思ったのですが嘘をついてしまいました。」
「ど、どうして!?」
「竜斗、このごろお疲れ気味ですしその、この前男の人たちから助けてもらった時のお礼をまだしてなかったので……」
シェレールは、そう言いつつ俺の方にブレスレットの入った袋を突き出してきた。
「う、受け取ってください!」
俺は、何故か目が熱くなり涙が零れてしまった。
「ど、どうしたんですか?竜斗!?」
「あ、わ、悪い。す、すごい嬉しくて……」
「竜斗にプレゼントするのこれが初めてじゃありませんよね?」
「あ、ああ、そうなんだが……」
好きな人からのプレゼントってこんなにも嬉しいんだな。
ああ、クソっ!涙が止まらない。
「ふふっ、竜斗ったら。」
シェレールは、持っていたハンカチで俺の涙を拭った。
「あ、ありがとう。」
「い、いえ、どういたしまして。」
お互い顔が近いということに気がつき顔を逸らしてしまった。
「シェレール、ありがとう。これ、大事にするよ。」
「は、はい。」
あ、あれ、今、告白する絶好チャンス?
い、いけるか?
いや、いくんだ!
今を逃したら、次のチャンスはないと思え!
まともな告白出来るかわからないけど今しかない!
俺ならやれる!
「シェレールーーー」
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ノベルバユーザー264858
主人公頑張れ笑