クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

119話 夜

 俺たちは、無事みんなから祝福してもらい今は、シェレールと二人でルビーの家の庭を散歩している。
 俺たちは、何を話していいのか分からず、ずっと黙りながら歩いていた。
 前はこんな事あまりなかったのにな……。これが恋人同士になった距離感みたいなものなのか?
「くちゅっ!」
 俺が少しなんの話題について話そうか迷っていたらシェレールがくしゃみをした。
 そういえば結構寒いもんな。
「シェレール、大丈夫?これ、貸すよ。」
 俺は、そう言って上着をシェレールの肩にかけた。
「で、ですが、そうしたら竜斗が風邪を引いてしまいます。」
「俺は、いいんだよ、男だから。それに風邪を引いたらシェレールに看病してもらえるしな。」
「ふふっ、竜斗ったら。もし、本当にお風邪を引いてしまったら私が全身全霊で看病しますね。」
「ああ、だから、この上着はシェレールに貸す。」
「ありがとうございます。……暖かいです。」
 シェレールは、少し顔を火照らせてそう言った。そんなシェレールがすごい可愛くて愛おしかった。
「そ、そう?それなら良かった。あ、あそこにベンチがあるし歩きっぱなしは疲れただろ?少し休憩していくか。」
「はい、そうですね。」
 俺たちは、それから設置されていたベンチへと腰掛けた。
「「………」」
 わ、話題、話題……
「本当に寒いな。」
「あっ、ごめんなさい、私が上着を取ったから……」
 やっべぇ〜、今のは地雷だわ!
「ご、ごめん!別にシェレールが悪いわけじゃないから!というかなにか話題を作ろうとして適当に言った的なやつで……」
「ふふふ、わざわざ気を使ってもらわなくても大丈夫ですよ。ありがとうございます、竜斗。」
「あは、あはは〜」
 かっこ悪いなぁ。
「………皆さん、私たちが恋人同士になったことすごい喜んでくれましたね。」
「そうだな。まぁ、白井たちから告白されたハプニングもあったけどな。」
「ふふっ、そうですね。」
「シェレールは、俺が告白されたことどう思ったんだ?」
「う〜ん、別にどうとも思いませんでした。」
「そ、そうなのか?」
 少しは心配とかしてくれてもいいと思うが……
「だって、信じていましたから……」
「ん?信じてた?」
「はい、信じてました。竜斗が私を一番だと思ってくれることを……」
「そ、そうか。信じてくれてたのか……」
「はい、そうです。ちゃんとこれからも信じ続けてますよ。」
「ああ、信じてくれ。そして俺も信じてるからな、シェレール。」
「はい!私の一番は竜斗です!」
 シェレールのその言葉に俺の胸は、すごい熱くなる。そしてそれは頭の方まで来て……
「竜斗?泣いてるんですか!?」
「あ、いや、わ、悪い。う、嬉しくて、つい。」
 俺は、自分の涙を思いっきり袖で拭おうとした。が、拭おうとしたその腕をシェレールは、がっしりと掴んでいた。
「シェレール?」
「わ、私が拭いてあげます。」
 シェレールは、そう言って持っていたハンカチを取り出し俺の目から出てくる涙を拭う。
「竜斗、大好きです。」
 シェレールは、そのまま俺の腕にくっついた。
 や、やばい!シェレールの甘い匂いが俺の脳を刺激して、気を抜いてしまえば襲ってしまいそうだ。
 さすがに付き合って一日でヤルのは間違ってるだろ。
 我慢……我慢……
 その瞬間、風が思いっきり吹き寒気が一気に襲ってきた。
 そして、シェレールはその寒気を耐えるために俺の腕にさらにくっついてしまった。
 ま、待ってくれぇぇ!!
 シェレールの甘い匂いだけでもヤバいのに、ここに来てその胸アタックはヤバい!本当にヤバい!
 変な気を起こすな、変な気を起こすな!
「シェ、シェレール……」
「はい?……わっ!」
 俺は、シェレールの体を引き寄せ思いっきり抱きついた。
「りゅ、竜斗?どうしたんですか?」
「………あ」
 完全に我を忘れてたァァ!!
 クソっ!いい言い訳はないか!?
「……あ〜、えっと、そ、そう!これで寒さは少しは寒くなくなるだろ?」
「そ、それは……はい。ですが、この格好は……は、恥ずかしいです……」
「ご、ごめん!やっぱダメだったよな!」
 俺は、シェレールを引き離そうとした。
「ん?シェレール?」
 だが、シェレールは、俺の服を思いっきり握りしめていて離れようとはしない。
「〜っ!は、恥ずかしいですけど、は、離れたくありません……」
「っ!!」
 めっちゃ可愛い!!なにこの子!?すごい可愛い!俺、本当にシェレールの彼氏なんだよな!今の今まで夢でしたなんてオチ、本当シャレにならないからな!
 俺は、シェレールの背中に腕を回し優しく抱きしめた。
「……あ、暖かいです……」
「ああ、暖かいな……」
 ………さて、これから何を話そう……
 せっかく今さっきまでいい調子だったのに!
 ああ、ダメだ!シェレールの匂いと胸の感触で何も考えられない。
「シェレール……ヤリたい……」
 ………ん?俺、今なんて言った?
(シェレール……ヤリたい……と、言っておられました。)
 や、やめて!そんな恥ずかしいセリフ、俺の前で言わないで!
(ですが、マスター自身が言った言葉です。)
 うぅ〜、本当に言ったのか。
 シェレール、絶対に引いてるだろうな……
 俺は、恐る恐るシェレールの方をチラッと見た。
「すぅ〜すぅ〜」
 な、なんだ、寝てたのか……良かった。
 ったく、こんな所で寝て……
 寝顔も可愛いな……
「さて、いつまでもこうしているとシェレールが風邪を引いてしまうな。戻るか。」
 俺は、シェレールをお姫様抱っこ状態にしてシェレールの部屋へ向かった。
 その時のシェレールの顔は真っ赤で部屋に戻った後、竜斗のあの言葉に返事をしなかった自分に苦悩することを竜斗は、今後知ることはなかった……

コメント

  • ノベルバユーザー328077

    色欲だな

    0
  • ヒカッチ

    ハハハさいこー早くやって子供作って子供も人外レベルまで強くなれ(笑)(笑)(笑)

    0
  • 小説家を褒めよう

    爆発しろ

    3
  • けせらとてん

    ヤってほしい

    7
  • ケモ耳最高

    (ですが、マスター自信が言った言葉です。)の自信って自身じゃないんですか?

    3
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