クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
140話 バレた!?
俺たちは、宿を出て早く転移しようとしたが出た直後に1人の兵士に声をかけられた。
「いえいえ、急いでなどいませんよ。」
なんとか言い繕わないとな。
「そうか?俺には慌てて宿から出てきていたような気がしたが?」
「見間違いですよ。俺たちは、今から買い物をしに行こうとしていたところですから急ぐ理由にもなりませんしね。」
「何を買ってくる予定だったんだ?」
「え〜っと……」
「私のプレゼントですよ。私たち今日は大切な日なので彼氏であるリュウが私にプレゼントしてくださると言ってくれたんです。」
俺が適当な理由を考えているところ、シェレールが言い訳をしてくれた。
俺は、目でシェレールにお礼を言った。
「そうだったか。だが、今日は少し事情があってな。二人とも同行してもらおう。」
くっ、結局逃げられないのか。
仕方ない、ここは一旦ついて行くか。
「分かりました、どこへ行くのですか?」
「街の広場だ。そこで昨日何をしていたのか話してくれ。」
兵士は、そう言って俺たちと一緒に広場まで向かった。
広場へ着くとそこには大きなテントが用意されていた。
「ここへ入ってくれ。中で話を伺う。」
兵士は、そう言って俺たちをテントの中へ案内した。
「ガイシス国王、二人の冒険者らしきものを連れてきました。」
「うむ、助かる。お主は次へ行ってくれ。」
「はっ!」
兵士は、返事をして出ていった。
ってか、こんな所にガイシス国王と斉藤がいるのだが………
それになんか、斉藤がすごいこっちを見てるのだが。
「すいません、昨日のことを話せって言われたのですがどんなことを話せばいいんですか?」
国王にこんな態度はどうなのかと思うがまぁそこは常識知らずってところで許してもらおう。
「うむ、では昨日の昼頃、何をしていたのか話してくれ。」
「昨日の昼は、外へ出てレベル上げのためにモンスターを狩っていましたね。それを夕方くらいまで続け宿へ行きそこで1泊しました。」
「そうか、分かった。では下がってくれ。」
あれ?こんなもんでいいの?ってか俺の話簡単に信じすぎでしょ。
(それは、テーブルの上に置いてある嘘をついていたらわかる魔道具を信じているからでしょう。マスターの場合、昨日は本当にモンスターを狩ってレベルを上げられましたので嘘ではないことになっていますね。)
へぇ、そうなのか。ってか、理由、あれにしといて良かった。
「それじゃ、俺たちは帰りますね。」
俺は、そう言ってシェレールの手を取りテントの外へ出ようとした瞬間。
「ちょっと待っていただこう。」
斉藤が俺たちを呼び止めた。
くそっ!面倒なやつ。ってかあいつの声を聞いただけでイライラが溜まるわ。
「なんでしょうか?」
俺は、呼び止められた理由を聞く。
「少し、僕の方から聞きたいことがある。」
俺は、なんだと思ったが斉藤が次に放った言葉ですごい驚かされた。
「なぜ、あなたがた二人は、偽装なんてしているのですか?
「「「っ!?」」」
な、なんで、なんでバレた!?
斉藤の口からの出任せ?いや、それにしてはピンポイントすぎる。
「な、なんで俺たちが偽装なんてしてるんですか?」
「それでは僕の目がおかしいのでしょうか?僕には神眼というスキルがあるのですがね?」
っ!
ナビ、神眼ってどんなスキルなんだ?
(神眼とは、どんなに偽装されていても見抜くスキルです。)
そういうことか。
ってことは俺たちの正体も気づいているのだろう。
「久しぶり、柊君。」
「ああ、そうだな、斉藤。」
「そして、シェレールさんも。」
「っ!何、シェレールだと!?」
「ガイシス国王、あの男の横にいる女の人、あれはシェレール姫が偽装している姿ですよ。」
「な、何!?シェレール、本当にシェレールなのか!?」
「………」
シェレールは、少し俯いたまま黙っていたが決心したように顔を上げ偽装のスキルを解いた。
俺もそれに続き偽装のスキルを解いた。
「お久しぶりです、お父様。」
「シェレール、本当にシェレールなんだな。」
「ええ、私はあなたの娘、シェレール・ガイシスですよ。」
「おおっ!会いたかったぞ!あの一件以来死んでしまったんだと思って私もルーシも、そしてこの国の民も皆すごい悲しい思いをしておったぞ!」
「ご心配をかけて申し訳ございません。ですが、私はご覧の通り元気です。」
「良かった、本当に良かった。」
ガイシス国王は、涙を流しながら良かったと呟いている。
だが、シェレールはそのガイシス国王を黙って見ていた。一滴の涙も浮かべず。
「柊君、君にあったのはいつぶりかな?確か、最後に会ったのはガルード王国に魔物の大群が現れた時だったかな?」
その時も俺のことをわかっていたのか。
そう言えば確かにそうだよな。
こいつを殺す瞬間の台詞が確かにおかしかった。
斉藤が死ぬ前に言った台詞、「ぼ、僕たち、と、友達、だろ?」
こんなこと、俺の正体が分からなきゃ言えない台詞か。
「ああ、そうだな。なぁ、俺からも聞いていいか?」
「ん?なんだい?」
「なぜ、お前は生きているんだ?俺がこの手で殺したはずだろ?」
「それはーーーー」
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