センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
20話 これから毎日国を焼こうぜ。
ザワっとした。
濃厚な雑音。
各国の首脳陣の眼球に血が走った。
わずかに、冷たい汗がツーっと流れる。
しかし、騒ぐ者はいなかった。
空気は、すぐに弛緩した。
決して落ちついたのではなく、ただ緩やかに整った。
ここにいるのは、全員が、国を背負っている者。
そして、ラムドもその一人。
ラムドは、召喚バカだが、その頭脳はピカイチ。
強固な前提が、ここにいる者達の心を強制的かつ自動的に落ちつかせた。
誰もがニっと笑って、ラムドを見る。
この時点では、みな、ラムドの行動を、極めて愚かな悪手だと認識していた。
この時点では、まだ、『へー、ラムドでも衝動的になることがあるのか、へーへー』くらいにしか思っていない。
ゆえに、まず、カバノンが、
「何を言っているのか、分かっているのか」
挑発的に、
「犯した罪を暴かれて、つい熱くなってしまう気持ちも分からないでもないが、まあ、落ちつきたまえ」
カバノンは、冷静に、慎重に、己が声の質を調節する。
リーンに対するよりも遥かに気を使っていると分かる態度で、しかし主張の強固さはそのままに、
「若返って、血の気が増している……のかどうか知らないが……『この場』は、貴様のような、浮世離れした仙人の出る幕ではない。下がっていたまえ、ラムド・セノワール。温情をもって、先ほどの愚か極まりない発言は、聞かなかった事にしてやるから――」
と、そこで、
ラムドは、
「トーン共和国の国家主席カバノン・イヌリン・クリアランス。お前んトコの巫女は、確か、俺が勇者を殺すシーンを目撃したんだったな。どんな風に殺されたと言っていた?」
かなり、無礼な口の利き方だ――とは思ったものの、俗世から離れた仙人(違うステージにいる者)相手に礼儀を説いても仕方がないと判断したカバノンは、
「貴様の召喚獣によって、に決まっているだろう」
特に感情を込めずに、そう答えた。
ちなみに、実際のところは、知らない。
本当は誰もそのシーンを見てなどいないのだから。
ゆえに詳細は語れない。
しかし、問題はない。
ラムドは召喚士。
それが全てを物語る。
だが、そんな事はラムド(ゴート)も理解しているわけで――
「俺は召喚士なんだから、そんな事は当たり前だろ。お前はバカか」
「ば……か? 口を慎め、醜いバケモノ」
ピリっとする。
場に熱がともる。
いくつかの感情が加速する。
「俺は、お前に、勇者が、どんな召喚獣によって殺されたか言ってみろと言っているんだ」
「そんな事を貴様に答える義務がどこにある、無礼者」
流石に我慢ができなくなって、ラムドの失礼な態度について言及しはじめるカバノン。
迫力が増していく――が、ラムドは、カバノンの気迫など意に介さず、
「いや、あるだろ。ほんとバカだな、お前」
やれやれと首をふってから、
「いいか、バカ。お前は、俺に対し、『あなたは犯罪者だから謝りなさい』と、ふざけた言いがかりをつけてきたんだぞ? ならば、俺がお前に対し『その証拠を出しなさい』と求めるのは当然であり、その際、そっちに証拠開示の義務が生じるのも当たり前。こんなこと、いちいち言われなくても分かれ、バカ」
「……どちらが愚かしいかという問題提起をするのなら、明らかにそちら側の非が大きいと思うがね。貴様が喋れば喋るほど、魔王国は不利になる」
「証拠がないから提示なんかできない。となれば、論点をズラすしかねぇわな。けど、いくらゴールポストを動かしても無意味。強気に詭弁を並べ続けることでケムにまこうとしても無駄だ。俺を、この弱腰なバカ殿と同等に考えるなよ」
ラムドは、ドンと机を殴り、とことん堂々とした態度で、カバノンを睨みつけ、
「まず、最初に断言しておこうか。俺がこの場で何をし何を言おうと、魔王国が不利になるってことは一切ない!」
「ふん……なぜ、そんなことが言い切れる」
「その問いが答えだ。前提で、『俺に教えてもらわなければ分からない』というテメェの現状が、何よりの証拠なんだよ」
「意味がわからん」
「意味が分からない、ね。はっ、最悪手。大バカ、確定。お前は、今、自ら『わたしは嘘をつきました、本当は何も知りません』と告白したようなものなんだが、その事にも気付けていない」
「ははっ……やれやれ」
カバノンは、鼻で笑ってから、
「論点をすり替えてケムにまこうとしているのは、どこからどう見ても、貴様の方――」
「トーンの巫女とやらが、本当に『俺が勇者を殺すところ』を見ていたら、お前に、こう報告するはずだ。ラムドに対する口の利き方には気をつけてください――と」
「いいかげんにしないか。ぐだぐだと、中身も意味もない迂遠なだけの戯言を並べたてて……結局、何が言いたい? さっぱり見えてこない」
「本当に頭が悪い。脳を使えよ、バカ野郎。もし、お前が、本当に俺の力を知っていたならば、お前みたいなショボいザコは、俺に対して心底からビビるしかなく、決して、俺に対し、そんなナメた口はきけないと言っているんだ」
「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1,274
-
1.2万
-
-
5
-
0
-
-
30
-
135
-
-
26
-
75
-
-
176
-
61
-
-
115
-
580
-
-
66
-
22
-
-
7,718
-
1万
-
-
4,631
-
5,267
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
0
-
0
-
-
183
-
157
-
-
1,576
-
3,510
-
-
1,093
-
1,830
-
-
5,039
-
1万
-
-
418
-
2,142
-
-
829
-
1,990
-
-
62
-
89
-
-
1,528
-
2,265
-
-
3,063
-
5,380
-
-
1,059
-
2,525
-
-
232
-
2,015
-
-
104
-
158
-
-
2
-
3
-
-
2
-
54
-
-
484
-
571
-
-
3,152
-
3,387
-
-
181
-
812
-
-
131
-
389
-
-
1,257
-
765
-
-
614
-
221
-
-
817
-
721
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
1,745
-
5,632
-
-
902
-
2,532
-
-
190
-
214
-
-
310
-
215
-
-
208
-
841
-
-
23
-
33
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
395
-
2,079
-
-
161
-
757
-
-
15
-
3
-
-
15
-
42
-
-
1,339
-
2,106
-
-
1,034
-
1,714
-
-
753
-
1,088
-
-
2,684
-
7,182
-
-
1,295
-
1,425
-
-
1,301
-
8,782
-
-
408
-
439
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
527
-
588
-
-
159
-
267
-
-
3
-
24
-
-
6,675
-
6,971
-
-
4,922
-
1.7万
-
-
1,124
-
1,733
-
-
398
-
3,087
-
-
14
-
13
-
-
3万
-
4.9万
-
-
695
-
1,092
-
-
1,667
-
2,934
-
-
1,656
-
3,989
-
-
60
-
89
-
-
59
-
430
-
-
12
-
2
-
-
1,840
-
1,893
-
-
1,658
-
2,771
-
-
14
-
8
-
-
2,814
-
4,848
-
-
86
-
893
-
-
27
-
2
-
-
76
-
153
-
-
9,173
-
2.3万
-
-
4,126
-
4,981
-
-
2,799
-
1万
-
-
922
-
1,033
-
-
514
-
689
-
-
400
-
368
-
-
83
-
2,915
-
-
187
-
610
-
-
265
-
1,847
-
-
33
-
48
-
-
3,589
-
9,630
-
-
369
-
994
-
-
4,314
-
8,491
-
-
1,664
-
2,467
-
-
1,863
-
1,560
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
3,190
-
5,064
-
-
547
-
854
-
-
1,000
-
1,512
-
-
2,431
-
9,370
-
-
31
-
32
-
-
1,798
-
1.8万
-
-
1,838
-
5,329
-
-
108
-
364
-
-
450
-
727
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
134
-
16
-
-
2,629
-
7,284
-
-
1,447
-
3,543
-
-
2,534
-
6,825
-
-
213
-
937
-
-
1,391
-
1,159
-
-
65
-
390
-
-
19
-
1
-
-
47
-
515
-
-
1,175
-
1,984
-
-
2,951
-
4,405
-
-
1万
-
2.3万
-
-
4,905
-
9,096
-
-
2,178
-
7,299
-
-
4,194
-
7,854
-
-
3,548
-
5,228
-
-
2,860
-
4,949
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
664
-
2,340
-
-
244
-
179
-
-
428
-
2,018
-
-
116
-
17
-
-
910
-
1,926
-
-
5,469
-
6,129
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
2,713
-
3,670
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
3,653
-
9,436
-
-
756
-
1,734
-
-
1,521
-
2,512
-
-
1,269
-
2,233
-
-
270
-
1,477
-
-
147
-
215
-
-
186
-
802
-
-
14
-
1
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント